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子供の声がれ:小児声帯結節
小児声帯結節は小児で声がれ(嗄声)をきたす疾患としては最も多い病気です。
活発な男の子に多く、10歳以下に発症のピークがあります。
大声で怒鳴る、泣きわめくなどの声の乱用がきっかけになり、
野球やサッカー、剣道などのスポーツを行っていることも多くあります。
声帯の粘膜固有層浅層の浮腫、上皮の肥厚などをきたすことが引金となると考えられています。
<症状>
気息性(息もれ)を主体とする嗄声(声がれ)が種々の程度に見られ、
最長発声持続時間の短縮、
声域の縮小、
特に声域上限の低下が起こりやすくなります。
<診断に必要な検査>
軟性喉頭ファイバーによる声帯病変の確認が必要です。
通常、両側声帯前方に結節が見られます。
声帯が浮腫状になっている場合もあります。
ストロボスコピーでは、結節の前後の声門閉鎖不全、
結節を中心とする部分の粘膜波動の縮小などが見られやすくなります。
結節そのものが柔らかい症例では、
特に低音発声では辺縁の結節ごと振動することが観察されます。
<治療法>
大人と異なり、小児では声の安静を保つことが難しく、
吸入など保存療法が効果のないことあります。
しかし、変声期(思春期)に自然治癒する可能性が高いので、
原則的に経過を見て保存的に治療を行います。
1、声の衛生指導、発声法(声を出す方法)の指導
過度の発声制限は子供の精神発達上好ましくありませんが、
家庭で子供が不適切な発声(大声をあげるなど)を行っていたら注意してもらいます。
2、増悪因子の治療
上気道炎、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などによる後鼻漏が増悪因子になっている場合は、その治療も十分に行います。
3、手術
声がれの程度が極めて高度で、結節が硬く大きく、その小児の社会生活上大きな負担になっているような例で、保護者に強い要望があるようであれば、再発のリスクもありますが、手術の適応を考慮します。
ご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。
(参考:廣瀬肇:音声障害の臨床、JOHNS 2012 March Vol.28 No.3)
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