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記事詳細
幼児の吃音に対する発症・維持のモデルと治療法
吃音の発症や維持に関するモデルとして、「要求-能力モデル」(Demands and Capacities Model, DCM)がよく使われています。これは、子供のDemand(発話要求度)とCapacity(言語能力)のバランスが悪いため、吃音が生じるという考え方です。特に幼児期は、言語が発達の途中にあるため、話すときにかかる負担が大きいほど、非流暢な発話が出やすいとされています【幼児吃音臨床ガイドライン2021】。
RESTART-DCMアプローチ
このモデルに基づいて、RESTART-DCMという治療法があります。RESTART-DCMでは、発話に関わる以下の4つの領域で要求を減らし、子供の能力を高めることを目指します。
- 発話運動面
- 言語面
- 社会・情緒面
- 認知面
これにより、子供の発話が自然に流暢になるようサポートします。具体的には、養育者の発話速度(発話運動面)、質問の数(言語面)、文の複雑さや長さ(言語面、認知面)、穏やかな反応(情緒面)といった要素について、本人の能力に適したものにするという介入方法です。ただし、このアプローチだけでは不十分な場合、直接的な発話指導が行われることもあります。例えば、遊びを通じて楽に話せる環境を作り、自然に真似をして発話する状況を作るなどの工夫がされています【幼児吃音臨床ガイドライン2021】。
リッカム・プログラム
リッカム・プログラムは、幼児期の吃音治療として広く使われている方法の一つです。このプログラムでは、親が子供の流暢な発話を褒めることで、吃音を軽減させるというアプローチを取ります。このプログラムの特徴は、子供にストレスを与えず、自然に話すことを奨励する点です。研究によると、リッカム・プログラムを用いた治療は、治癒率が高く、多くの幼児が改善することがわかっています【幼児吃音臨床ガイドライン2021】。
日本におけるJSTART-DCM
日本では、RESTART-DCMとリッカム・プログラムを統合したJSTART-DCMという治療法が開発されました。JSTART-DCMでは、治療開始後12週間で多くの子供が改善を見せることが確認されており、効果的な治療法として注目されています。この方法は、吃音が長引くケースに対しても有効であることが示されています【幼児吃音臨床ガイドライン2021】。
参考文献
本ページの情報は、最新の「幼児吃音臨床ガイドライン(第1版)」に基づいています。詳細な情報をご希望の方は、下記の文献をご参照ください。
- 幼児吃音臨床ガイドライン(第1版)
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- 病気について
- 耳鳴り
- 聴覚障害:聴こえが悪い
- 吃音について
- いびき・睡眠時無呼吸
- 発音の遅れや言葉の理解が難しいといった悩みを抱えるお子さんへ
- アレルギー性鼻炎・花粉症
- 嗅覚障害と味覚障害
- 嚥下障害:むせやすい、体重が減った、肺炎を繰り返す
- 鼻副鼻腔炎:ちくのう症
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