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記事詳細
幼児の吃音に関する疫学的特徴
幼児期に見られる吃音は、特に2歳から3歳頃に多く発症します。この時期は言葉の発達が急速に進むため、吃音が現れることが一般的です。発達性吃音の多くは、就学前までに自然に治ることが多いですが、場合によっては専門的な治療やサポートが必要となることがあります。
吃音の発症率
研究によると、吃音の発症は4歳までに約90%が起こり、その発症率は5〜11%とされています【Yairi & Ambrose, 2005】【Månsson, 2000】【Reilly et al., 2013】。また、男女比では、男児に多く見られ、発症後3年以内に7割のお子さんが自然に治癒することがわかっています。さらに、家族に吃音のある人がいる場合、そのお子さんも治癒する可能性が高いとされています【Månsson, 2000】【Yairi & Ambrose, 2005】。
日本における疫学調査
日本における吃音の疫学調査は、海外に比べて少ないものの、いくつかの研究が報告されています。例えば、大槻(1958年)の研究では、3歳から45歳までの吃音を持つ人々を調査し、男女比が11:1であることや、5歳以下での発症率が55.6%であることが示されています。また、小沢(1960年)の調査では、小学校1年生から中学校3年生までの約7,600名を対象に調査を行い、吃音の有症率が0.98%であったことが報告されています。しかし、この研究は学齢期以降の調査であり、幼児期の吃音に関する情報は限られています。
最近の研究と調査結果
近年の研究では、3歳児健診時の吃音の有症率が1.41%と報告されています。この時点で吃音が認められた子供の約82.8%が半年後には吃音が消失していたという結果も出ています【Shimada et al., 2018】。また、2016年から始まった日本国内の大規模な疫学調査では、3歳時の吃音の有症率が4〜5%であることや、3歳までの累積発症率が8〜9%であることが確認されました。この調査では、5歳までに約75%が自然治癒するという結果も得られています【酒井 et al., 2017】【Sakai et al., 2018】。
参考文献
本ページの情報は、最新の「幼児吃音臨床ガイドライン(第1版)」に基づいています。詳細な情報をご希望の方は、下記の文献をご参照ください。
- 幼児吃音臨床ガイドライン(第1版)
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- 病気について
- 耳鳴り
- 聴覚障害:聴こえが悪い
- 吃音について
- いびき・睡眠時無呼吸
- 発音の遅れや言葉の理解が難しいといった悩みを抱えるお子さんへ
- アレルギー性鼻炎・花粉症
- 嗅覚障害と味覚障害
- 嚥下障害:むせやすい、体重が減った、肺炎を繰り返す
- 鼻副鼻腔炎:ちくのう症
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