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幼児の吃音についてのご案内
お子さんの言葉の発達に関して、吃音(きつおん)に悩むことは少なくありません。吃音は、言葉を話すときに言葉がつかえたり、同じ音を繰り返してしまったりすることを指します。特に、幼児期にはこのような症状が見られることがあります。
当院では、2021年に発表された「幼児吃音臨床ガイドライン(第1版)」をもとに、適切な対応方法をご案内しています。以下に、吃音に関する基本的な情報を簡単にご紹介します。
1. 幼児の吃音はよくあることです
幼児期には、多くのお子さんが吃音の症状を示します。実は、幼児の約8〜11%が一時的に吃音を経験します。この時期の吃音は、言葉の発達の一環であり、自然に治ることが多いです。実際には、約7割から8割のお子さんは成長とともに自然に吃音がなくなりますので、過度に心配する必要はありません。
2. 吃音の原因は育て方ではありません
吃音が見られると、「育て方が悪かったのでは?」と不安になる保護者の方が多いかもしれません。しかし、最新の研究では、吃音は遺伝的な要因が大きく関わっていることがわかっています。育て方や家庭環境が原因で吃音が起こるわけではないので、安心してください。
3. 自然に治ることもありますが、注意が必要です
多くの場合、吃音は特別な治療を必要とせず、自然に治ることが期待できます。しかし、全てのお子さんが自然に治るわけではないため、経過を観察しつつ、場合によっては治療や専門家のサポートが必要になることもあります。特に、長期間にわたって吃音が続く場合や、話すことに対して不安を感じている場合は、早めにご相談ください。
4. どのように治療するの?
吃音の治療にはさまざまな方法があります。リッカム・プログラム(Lidcombe Program)という、親が日常の中でお子さんの話し方をサポートする治療法が有効です。また、日本独自のJSTART-DCMというアプローチも効果が期待されています。これらの治療法は、吃音を自然に改善する可能性を高めるものです。
5. 専門家との連携が大切です
吃音が気になる場合、言語聴覚士や医師と連携し、適切な時期に診断や治療を行うことが大切です。吃音が自然に治ることもありますが、必要に応じて専門家のサポートを受けることで、安心して子どもの言葉の成長を見守ることができます。
6. 参考文献
今回の情報は、2021年に発表された「幼児吃音臨床ガイドライン(第1版)」に基づいています。詳しい情報を知りたい方は、下記の文献をご参照ください。
- 幼児吃音臨床ガイドライン(第1版)
- 日本医療研究開発機構(AMED)の研究開発課題「発達性吃音の最新治療法の開発と実践に基づいたガイドライン作成」(課題番号JP18dk0310066)に基づくものです。
お子さんの吃音について、何かご不安な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。私たちは、お子さんの言葉の成長を温かくサポートしてまいります。
- 幼児吃音臨床ガイドライン(第1版)
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