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記事詳細
吃音者の発話のメカニズムに関する研究論文についてのご紹介
今回は吃音者の発話のメカニズムに関する研究について、皆様に分かりやすくお伝えしたいと思います。
吃音とは?
吃音は、音や音節の繰り返し、音の延長、言葉が出にくくなる「ブロック」など、発話の流れが中断される状態を指します。吃音は子どもの5%に見られ、その多くは成長とともに自然に治りますが、約1%の成人は吃音が続くことがあります。吃音は、日常生活に支障をきたすこともあり、ストレスや不安が発話に影響することが知られています。
吃音が起こる仕組み
発話には、脳の様々な部位が協力して、口や顔、呼吸筋をスムーズに動かす必要があります。しかし、吃音を持つ方では、脳の運動皮質と呼ばれる部分がうまく働かず、発話の準備や実行がスムーズに進まないことが研究でわかっています。特に、左側の口顔運動皮質の働きが弱いことが吃音に関連していると考えられています。
吃音の発話中の脳の働き
この研究では、吃音を持つ方と流暢な話者の発話中の脳の興奮性を比較することで、発話の準備段階での違いが明らかになりました。流暢な話者では、発話の直前に左側の脳の興奮性が増加し、次の言葉をスムーズに発声する準備が整います。しかし、吃音を持つ方ではこの左側の脳の興奮性が十分に高まらず、発話がスムーズに進まないことが確認されました。
吃音と脳のつながり
吃音は、脳の白質(脳内で信号を伝える部分)のつながりが弱くなることとも関係しています。特に、発話をスムーズにコントロールするための脳内のネットワークがうまく機能しないことが、吃音の原因の一つとして考えられています。
吃音の治療に向けた視点
この研究から、吃音を持つ方の脳の働きを改善するために、治療法の可能性が見えてきました。非侵襲的な神経刺激などの方法で、左側の脳の運動皮質を活性化することで、発話のスムーズさを改善できるかもしれないと考えられています。
まとめ
吃音は、発話に関わる脳の働きの不均衡によって引き起こされることがわかっています。最新の研究は、このメカニズムを解明する手がかりとなり、治療法の開発に繋がる可能性を示しています。
参考文献
Neef, N. E., et al. "Speech dynamics are coded in the left motor cortex in fluent speakers but not in adults who stutter." Brain, vol. 137, no. 12, 2014, pp. 1873-1884. -
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