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記事詳細
睡眠時無呼吸症候群(OSA)と運動の重要性について
こんにちは。
最近、私たちの生活の中でよく耳にする「睡眠時無呼吸症候群(OSA)」という言葉。夜間に呼吸が止まったり、浅くなったりすることで睡眠の質が低下し、日中の眠気や集中力の低下、さらには健康にさまざまな影響を及ぼすことが知られています。
当院では、OSAの患者さんに向けて、効果的な治療法として「運動」をお勧めしています。
OSAに対する運動の効果
当院が注目している最新の研究では、運動がOSAの症状を改善する効果があることがわかっています。この研究では、運動によって以下のような改善が見られることが示されました。
- AHI(無呼吸低呼吸指数)の減少:運動を取り入れることで、夜間の呼吸が改善され、無呼吸や低呼吸の頻度が減少します。
- 日中の眠気(エプワース眠気尺度、ESS)の軽減:運動によって、日中の強い眠気や疲れが軽減され、より活動的な生活を送れるようになります。
- 体重や体重指数(BMI)の管理:特に肥満の方では、運動が体重減少につながり、これがOSAの改善にも良い影響を与えます。
ただし、重要なのは、運動は体重を減らすだけではなく、全体的な健康改善に寄与するという点です。研究では、体重が大きく変わらなくても、運動を続けることでOSAの症状が改善することが確認されています。
なぜ運動が効果的なの?
OSAは、気道が狭くなったり閉塞したりすることで起こります。特に肥満の方では、首周りや咽頭部分に脂肪がつきやすく、それが気道を圧迫してしまいます。運動を取り入れることで、首周りや咽頭部分の脂肪が減少し、気道が開きやすくなるため、呼吸がしやすくなるのです。
また、運動は筋力を強化し、特に上気道を支える筋肉のトーヌス(筋緊張)を向上させることも知られています。これにより、夜間に気道が閉塞しにくくなり、呼吸がスムーズになります。
どんな運動がおすすめ?
特別な運動ではなく、日常的に無理なく続けられる運動が効果的です。例えば、以下のような運動を取り入れてみてはいかがでしょうか?
- ウォーキングやジョギング
- 自転車こぎやスイミング
- 簡単な筋力トレーニングやストレッチ
- 階段の上り下り
運動は週に2〜3回、30分程度の時間をかけて行うのが理想的です。また、無理なく続けられる範囲で行い、楽しみながら取り組むことが重要です。
(参考資料:Kenneth D Aiello et al. "Effect of exercise training on sleep apnea: A systematic review and meta-analysis.." Respiratory medicine, 116 (2016): 85-92 .)
おわりに
睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣の見直しと適切な治療で改善が期待できる病気です。当院では、CPAP(持続陽圧呼吸療法)に加え、日常生活で取り組める「運動療法」をお勧めしています。(適応がある方には外科的治療について説明します。)
もし、夜間のいびきや無呼吸、日中の強い眠気などの症状でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
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はかたみち耳鼻咽喉科
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