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記事詳細
新型コロナウイルス診断、PCR検査、唾液PCR検査、唾液採取時の注意点について
<新型コロナウイルス感染症の診断について>
新型コロナウイルス感染症が疑われる患者さんに対して、
喀痰、気道吸引液、肺胞洗浄液、鼻咽頭ぬぐい液、唾液ならびに剖検材料などを用いて、
ウイルス分離または病原体遺伝子検出、抗原検出を行い、
陽性となった場合に診断となります。
しかし、
検査感度には限界があるため、臨床像と合わせて総合的に判断すべきとされています。
(下に新型コロナウイルス感染症の検査方法を転記します)
<遺伝子増幅検査(PCR法)とは?>
新型コロナウイルスに特異的なRNA遺伝子配列だけをRT-PCR法などにより増幅し、
これを検出する方法です。
長所:感度が高いので陽性であれば診断可能です。
短所:検査時間が長く、結果が出るのに時間がかかります(検査機関に提出するため結果判明は翌日以降になります)。
<唾液PCR検査について>
2020年5月中旬までは鼻咽頭ぬぐい液によるPCR検査のみが保険適用でした。
しかし、
鼻咽頭からの検体採取は、
検体採取者に感染のリスクを伴うこと、
個人防護具やスワブを消費することなど、
感染対策においてのデメリットが指摘されておりました。
一方、
唾液検体は自己採取可能であることから、
感染のリスクを低減させることができ、
医療資源の節減にもつながります。
米国では2020年4月15日から唾液による検査がFDAにより認可され、
わが国でも2020年6月2日に唾液検体を保険適用とする厚労省通知がなされました。
これは、
様々な研究により、鼻咽頭ぬぐい液と唾液との結果に高い一致性がみられたためです。
その後、
厚生労働省は2020年7月17日、PCR検査および抗原定量検査について、
唾液検体を用いた検査の対象を無症状者(空港検疫の対象者、濃厚接触者など)にも拡大する方針を示しております。
<唾液採取時の注意点>
消化酵素により感度が低下することが指摘されており、
飲食前に採取することが望ましいとされています。
また、
ウイルスの物理的除去を避けるため、
採取前に歯磨きやうがい、飲食を行わないことが必要です。
(飴、ガム、歯磨き、のどスプレー、マウスウォッシュなど含む)
どうしても避けられない場合は
目安として最低10分、可能であれば30分ほど空けて検査を行う必要があります。
実際の検査では、
検体容器に唾液を直接たらすよう自然に唾液を出してもらいます。
十分な検体量(1~2ml程度)が取れるまで複数回繰り返します。
(*唾液の分泌をよくするために、以下のような唾液腺マッサージという方法があります。参考:一般社団法人 日本口腔保健協会)
(注意:簡易キットの抗原検査には唾液検体を使用できません。)
(参考資料:新型コロナウイルス感染症診療の手引き第3版、唾液を用いたPCRや抗原検査における検体採取や検査の注意点) -
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